近年の研究で、腸は複雑な生体機能をつかさどる、重要な器官であることがわかってきました。
腔腸動物であるヒドラのような原始的生物を観察すれば、腸が脳の原型であることがわかります。
近年の研究で、腸は複雑な生体機能をつかさどる、重要な器官であることがわかってきました。
腔腸動物であるヒドラのような原始的生物を観察すれば、腸が脳の原型であることがわかります。
人間の腸には、神経かくまなく張り巡らされています。これはほかの臓器には見られない特徴です。神経が巡る腸には、脳からの指令がダイレクトに届きますし、逆に、腸の情報も脳へと伝わりやすいのです。
これらのことから、腸は「第二の脳」といわれています。同時にまた、腸は食べものの消化吸収だけでなく、免疫にも重要な役割を持っています。私たちの腸の表面には、多くの壁や突起があります。この表面積を計算すると、ほぼ二〇〇平方メートルとなり、テニスコートと同じぐらいです。
腸は、この広大な面積を通じて食品の成分を認識します。必要なものは吸収し、不要なものは忌避するという、素晴らしくよくできた機能を持っているのです。腸は、管腔の表面が「腸管上皮細胞」に覆われており、その細胞の内部には「繊維芽細胞」「免疫細胞」「神経細胞」があり、さらにそれらが内部のリンパ管や毛細血管と連絡しています。
腸管上皮細胞の役割は、
の、三つに集約されます。
免疫は、食品に含まれる免疫因子を上皮細胞が認識し、そのシグナルを上皮内のリンパ球など免疫細胞に伝えることによって増強されています。人の免疫をつくっているのは「Bリンパ球」「Tリンパ球」「マクロファージ」という三種類の細胞です。
人の健康にとって非常に重要な役割を果たす三種類の細胞ですが、これらは「自然免疫」といって、生まれながらに持ち合わせている免疫であり、原則的に強いものです。年齢の影響もあまり受けることはなく、生涯を通じて一定に保たれているとされてきました。
しかし、最近の研究によると、この「自然免疫」も、日本人では低下傾向になってきていることがわかりました。
一方、「NK細胞」という免疫をつかさどる細胞があります。
たとえば、風邪をひいたとき、すぐに登場するのがNK細胞です。NK細胞が敵と闘っている間は、体にはとくに症状が生じません。しかし、NK細胞の攻撃が突破され、Bリンパ球、Tリンパ球、マクロファージにバトンタッチされると、闘いのなかで発熱や痛みの症状が生じます。
つまり、闘いがNK細胞だけで終了すれば、体に症状は出ないのです。NK細胞は「自然免疫」といわれ、その強弱には、年齢や栄養状態、ストレスなどさまざまな要因が関与しています。つまり、この免疫細胞は生活環境によって、弱くも強くもなるのです。
NK細胞を強くするには、栄養状態をよくし、ストレスの少ない環境で生活することが大切です。
だれでも年は取りますが、栄養状態やストレスはコントロールできます。そして、それに重要な役割を果たすのが「腸」になるわけです。
腸を元気な状熊に保つことができれば、NK細胞は活性化され、体は強くなります。
穀類、豆類、野菜類、発酵食品など幅広く取りいれた、日本古来の食事を取り、ストレスの少ない生活が、免疫を高める秘訣なのです。