インフルエンザワクチンのしくみ

インフルエンザワクチンとは、これから流行しそうなインフルエンザの型を想定し、できるだけその型に近いものを弱毒化したものです。

これを注射によって植えつけることで、人間の体に抗体をつくり、インフルエンザヘの感染を予防します。

インフルエンザウイルスは、大きくA型、B型、C型にわけられ、A型インフルエンザウイルスの表面には、「HA(ヘマグルチニン)」という突起と、「NA(ノイラミニダーゼ)」という突起があります。「H1N6」なら、HAの第一番目、NAの第六番目として分類される突起をもつ、という意味です。

現在のところ、HAは一六種類、NAは九種類あることがわかっています。つまり、インフルエンザウイルスは。144種類あるということなのです。

ちなみに、今川の新型インフルエンザウイルスの型は、H1N1型です。

しかし、このHAやNAという型は非常に変異しやすいばかりでなく、H1N1であれば、それに合致したワクチンでないと、効果は確実なものになりません。ただし、型が近いところでは、対抗できる力を示すワクチンもあります。HAが合っていれば、多少の効果があるといわれています。

一度インフルエンザウイルスに感染すると、その人の免疫担当細胞は生涯そのウイルスを覚えていて、二度目の感染を防いでくれます。しかし、ワクチンの場合は、生きたウイルスを使っていないため、免疫担当細胞が忘れてしまいます。再び流行した場合は、追加免疫といって、もう一度注射をする必要があります。

水ぼうそうやはしか、おたふく風邪などは、一度かかると免疫が記憶し、再びかかることはありません。

ただ、これらの予防接種や、ポリオ(小児マヒ)の予防接種の場合、「生ワクチン」を使います。これは、生きたウイルスを弱毒化したものを利用するため、免疫には終生記憶されるのです。しかし、ときにはワクチン接種によって本当に病気にかかってしまうこともあり、注意が必要です。

インフルエンザをはじめ、地球上に存在する感染症すべてを撲滅することは困難です。ですから私は、免疫を鍛えて体質を強くするためにも、多少の感染の経験は必要ではないかと思っています。

現在問題になっている新型インフルエンザは、約七〇年前に流行したロシアかぜと、約九〇年前に流行したスペインかぜと同じH1N1型なのです。ですから、当時感染した経験のある中高年の人たちの免疫には、その記憶が残っており、感染を防いでいます。

たしかに重症化して命が危なくなるケースもないとはいえません。しかし、健康体の人であれば、さほど恐れるものではないのです。

新型を含め、インフルエンザについては、あまり過度の心配をすることなく、普通に毎日を過ごしてはどうかというのが、私の考えです。



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